フリー(募集/投稿など)

【書き下ろし連載①/8】移動中・待ち合せの時間潰しに読める小説2▷共通の知人

*Q-Site は、WEBライター志望、作家志望の皆さまの発表の場をご提供するとともに、文章を書くことが好きなすべての方々を応援いたします*

 

共通の知人

作:神月 無弐

◆あらすじ◆
旅の情報サイトで知り合ったハジメとアユミは、友達以上恋人未満のネットの住人。突然のハジメの告白に素直に返事ができないアユミ。共通の知人の提案で初めてオフ会の約束をすることになったのだが・・・。たび重なる出来事に翻弄されながら二人が選んだ幸せのかたちとは、共通の知人の正体とは。・・・

 

第1章 ① 恋心


—– LINE —–

[ ハジメ ] じゃあ、アユちゃんも Yume (ユメ) さんのこと知ってるんだ!
―――――
[ アユミ ] うん
とってもいい人よ。色々とメールで相談にのってもらってる
―――――
[ ハジメ ] こんな偶然もあるんだね。びっくり!
―――――

☆★
ハジメとアユミはネットで知りあった友達以上恋人未満の関係だ。
趣味の一人旅を計画しようとネットサーフィンしていた時に、たまたま閲覧した旅サイトのチャットルームで知り合った。
何度かチャットしているうちに気が合って、約半年。
ダイレクトチャット、eメール、LINEと連絡の手段は増えていったが、奥手な二人はバーチャルな世界でしかまだお互いを知らない。

Yumeさんは、別の旅行サイトの掲示板で出会った人だ。
「たびイクくん & たびクルちゃん」のキャラクターで人気があるアジア圏の国々を紹介するサイトで、僕が中国旅行の書き込みをしたら即レスで「いいね!」をくれた。
プロフィールは非公開で中国の情報に詳しいことと、アカウントネームが Yume ということ以外素性は知らない。

アジア旅行の思い出話で盛り上がって偶然 Yumeさんの話をした時、アユちゃんもつながりのある人だったことがわかった。
インターネットの世界はWWW( World Wide Web )と表現されるが、思ったより狭かったことに二人は驚いて笑った。

—– LINE —–
[ A(アユミ )] でも、Yumeさんて優しいよね
一人旅でもいい出会いがあるようにって現地の男の子が好むファッションとか恋愛事情とか てんこ盛りだよ
―――――
[H(ハジメ)] だね
僕には女子に人気のスポットなんかを色々教えてくれるんだ
――――
[A] でしょっ♪
旅の相談してたのに、あれ?恋愛相談になってるなんて時もあるもん (笑)
―――――
[H] ちょっと面倒くさい時もあるけどね
ここまで世話してくれる人、あんまいないよ
―――――
[A] そうね、もしかして
あのサイトの管理人なのかな?
―――――
[H] 管理人ならすぐわかるから、違うんじゃない
―――――
[A] ふ~ん、そういうもんなんだ
じゃあ常連さんかあ
―――――
[H] 僕らよっぽどモテない人間に思われてるのかな? (笑)
―――――
[A] きゃはっ、そうかもね
ハジメさんはカノジョさんいないの?
―――――
[H] いたら一人旅なんかしないよ (ブー)
―――――

(恋人がいないのは本当だ。ひとりの方が何かと気楽だから。だからといって異性に興味がないと思われたくない。)

―――――
[A] LOVE TRIPも楽しそうだもんね
つくらないの?
―――――
[H] そうゆうアユちゃんはどうなの?
モテモテ?
―――――
[A] そんなことはございません。
残念・な・が・ら・
それこそ「一人旅なんて」だよーん(笑)
―――――

(それを知ってちょっと安心している自分がいる)

―――――
[H] な~んだ
お互い寂しい者同士か。
じゃ、立候補しちゃおっかな
―――――
[A] えっ?冗談でしょ
からかわないで
―――――
[H] マジだよ
―――――
[A] えっと
―――――
[H] ダメかな
―――――
[A] 少し考えさせて
―――――


この半年間のやり取りの中で、僕はすっかりアユちゃんに惹かれていた。
僕のツボを見抜いているように適度な距離間でメッセージをくれる。決して押しつけがましくなくて気楽。それに、たまに送ってくる
「ネイルしたよ」とか
「このハイヒールどうかな」とか
体のパーツをメインにした写メでなんだか焦らされてる感じが たまらなく愛しさを煽った。

なのに・・・

告白から1週間、アユちゃんからの連絡がまったくこなくなった。
返事を催促するみたいになるのが嫌でこちらからも連絡は入れていない。
ノリだけのいい加減なヤツだと思われちゃったかな?それとも返事を真剣に考えてくれてるのか?
フラれるのは慣れてる。だけど傷つきたくないから一人でいいと思ってた。

(それなのにあの時なんで告白しちゃったんだろう)

それはアユちゃんに出会ってしまったから。自問自答を繰り返す。
キラわれてもしょうがないけど、このままつながりが無くなってしまうのは嫌だ。
ケイタイに着信メッセージが光るたびに期待してしまう。それも一瞬でことごとく裏切られたが。
ゲームをしていても、友達と話していてもモヤモヤが続いて落ち着かない。大学に通うのもおっくうになって休みがちだ。
顔さえも知らないのに、恋しさが募って何をやっても手がつかない。

(自分がこんなに女々しい男だったとは。重症だな)

違うこと考えなきゃ。
こんな時こそ旅に出よう。僕はPCを立ち上げていつものように情報集めを始めた。
久しぶりにアジア圏の国々を紹介するあのサイトに行きついた時、登録しておいたマイページにYumeさんからメッセージが届いていた。


ハジメさん
相変わらず一人旅してますか?
もうすぐ七夕ですね。
年に一度の再会・・・ロマンチックじゃありませんか。
そこでとっておきの旅プランのご紹介
彦星と織姫にあやかってLOVEを求める旅なんていうのもたまにはいいかもです。
旧暦七月七日に台北の「霞海城隍廟(シアハイチェンホアンミャオ)」にお参りするとご利益あるみたいだよ。縁結びのハイパワースポットなんだって。次の旅はこれで決まり!だね。
青春しちゃってくだされ(笑)


なんて皮肉なというかタイムリーなのか?(苦笑)ちょうどいいや、Yumeさんに相談してみよう


Yumeさん
いつも情報ありがとうございます。
今日は旅の話じゃないのですが、ちょっと相談。
この前、メル友に告白しました。
結構、勇気出したんですよ(笑)
でも
それから一週間、連絡が取れなくなっちゃいました。

これって脈ナシってことですよね。
こちらからは催促してるみたいで連絡取りづらくて(泣)
最悪フラれるのはいいんだけど、この子とは気が合うんで、できればつながりは断ちたくないです。
未練たらしいと笑われてしまうかもしれませんが、どうしたらいいと思いますか。


30分後


ハジメさん
久しぶり。
恋バナですか。大好物(笑)
どんな風に告白したのかわからないけど、お目当ての子、多分突然でびっくりしちゃったんじゃないかな。
で、どんな人?
いくつなの?
一人暮らし?
好きなお店とか?料理とか?ファッションは?
お相手の情報がないと何とも言えないよ。
追加情報キボウ

いま出先でメールを自動転送させてケイタイで読んでるからよかったら
LINEはこちら> ID:yume***


Yumeさんからのメールを読んで我に返った。
そういえばメールの文面は知っていてもアユちゃん自身のことは何も知らなかった。
それに
YumeさんはLINEのIDまで教えてくれた。少々オーバーかもしれないけど、こんなことにまで親身になって対応してくれるYumeさんは僕にとってはお告げをくれる神様のような人だ。

早速

—– LINE —–
Yumeさん
ありがとうございます

自分が恥ずかしくなりました
知っているのは趣味が一緒ってことだけです
―――――
[Y] やっぱり

何も知らないんだね
それなのにちょっと急ぎすぎたのでは

繋がっていたいなら逃げてないで連絡取らなきゃ
まずはリスタートすることが肝心
―――――
[H] そういわれても
―――――
[Y] 何事もなかったように普通のペースでメール続ければいいよ
旅行の情報とか交えてサ
案外、ハジメさんが本気か試してるのかも?
―――――
[H] そんなもんですかね?
―――――
[Y] 同じようにメールがこなくなったことを
寂しく思って待っているのかも
―――――
[H] だといいんだけど
―――――
[Y] きっとそうだよ

それで、もし、お相手が返事を重く考えているようなら
「返事は僕のこと もっと知ってからでいいよ」って
受け流してあげればいい

今度はいいところいっぱい探して褒めてあげることから
はじめれば
―――――
[H] そうですね
なんだかラクになれました
連絡してみます!
―――――
[Y] P(^^)q
―――――

 

― つづく ―

「作家として発表するのはちょっと恥ずかしい」「処女作で自信がない」という方、どんな作品でも存在が知られなくては読まれこともなく自己満足で終わってしまいます。
せっかくのあなたの才能を眠らせてしまうのはもったいない!多くの方の目に触れ感想やご意見をいただくことで文章力を向上し、さらなる実力と自信をつけることができます。まずは、Q-Siteから露出を増やしていきませんか。

また、インターネット上ではバナー広告にリンクを張ることで様々のサイトから将来あなたのファンになる可能性のある読者を確保することも夢ではありません。Q-Siteでは、今回ご紹介しているこの作品についてストーリーのイメージから下記のようなバナー用PR広告を制作させていただきました。

読者やファンを増やしたいとお考えのあなたは、ぜひQ-Siteに作品PRのお手伝いをご相談ください

▷ お問い合わせ・ご相談はこちら

お待ちしております。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です