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【書き下ろし連載⑥/8】移動中・待ち合せの時間潰しに読める小説2▷共通の知人

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共通の知人

作:神月 無弐

◆前回までのあらすじ◆
ハジメの憂鬱を知らぬままオフ会の待ち遠しさに浮かれていたアユミを襲ったのはケイタイのウィルスだった。連絡の手段も顔もわからないハジメに会えるすべはもうないのか。会う前に嫌われちゃうなんて・・・

▷【書き下ろしⅡ】移動中・待ち合せの時間潰しに読める小説2(連載①/8)
▷【書き下ろしⅡ】移動中・待ち合せの時間潰しに読める小説2(連載②/8)
▷【書き下ろしⅡ】移動中・待ち合せの時間潰しに読める小説2(連載③/8)
▷【書き下ろしⅡ】移動中・待ち合せの時間潰しに読める小説2(連載④/8)
▷【書き下ろしⅡ】移動中・待ち合せの時間潰しに読める小説2(連載⑤/8)

 

第3章② 再び


ハジメは、バイト帰りの電車の中にいた。
いつの間にか既読にはなっているが返事がこないLINEを気にしていた。

(もう、昨日のことは忘れよう)

手のひらの中でケイタイがバイブした。

(おっと)

液晶に目を落とすと
<LINE メッセージ1件>の表示
アユちゃんからだ。
せっかくもう忘れようと思ってたとこなのに。恐る恐るアプリを立ち上げる。

—– LINE —–
[A] ごめんなさい
言い訳になっちゃうけどケイタイが壊れてしまって連絡が取れなかったの。
怒ってますよね。謝りたいです。
もし、迷惑でなかったらお返事ください。よろしくお願いします。
―――――

そうだったのか。
待てよ、ここでこのまま許しちゃっていいのか。また、遊ばれてるだけじゃないのか?アユちゃんと会えなかったばっかりにあんなヒドイことにも巻き込まれた。
少し冷静に考えた方がいい。今は既読スルー。

その夜、ハジメは自分の部屋でこれまでのアユちゃんとのメールのやり取りを消去するつもりで読み返した。
色々な場面が思い出される。旅行での体験自慢比べに、お土産評論会、読んだ本の感想大会、友達と喧嘩してやな気分になって慰めてもらったこと、親に叱られた時も。
元カノとのトラブルなど何も話していないのに、女性に対してもっていた不信感みたいなものさえもアユちゃんだけが感じ取っているみたいに共感して、かゆいとこだけに手が届く気のきいたセリフで慰めてくれた。こんな人に出会えることはもう二度とないかもしれない。
なんだか自然と目が潤んでしまう。

(今まで通りメールのやり取りだけの友達なら・・・)

—– LINE —–
[H] アユちゃん
よかった。病気とかじゃなかったんだね。
―――――

数分後

―――――
[A] ハジメさん
お返事嬉しいです。よかった
ほんとうにごめんなさい。
―――――
[H] もういいよ
また楽しくメール交換しようよ
―――――
[A] ありがとう
いっぱい言わなくちゃいけないことあるのに何だか言葉が出てこないよ
―――――
[H] 気にしないで
大丈夫だから
―――――
[A] あのね、もう一度チャンスをくれないかな
―――――
[H] えっ!?
―――――
[A] 私、やさしいハジメさんが・・。
文面だけじゃなくって、ちゃんと知りたいの
どうしても会いたいんです
―――――
[H] あ、ありがとう
でも
―――――

ここでもう一度会いたいだなんて思ってもいなかった。

―――――
[A] 彼女になるなら付合い始めてからガッカリせたくない
私の全部を見て欲しいの
―――――

(アユちゃんの真剣さが痛いほど伝わってくる。騙すはずがない。)

―――――
[H] わかった。
いいよ。僕も会いたい。
―――――
[A] わあ嬉しい!
我がままばかり言ってごめんなさい
―――――
[H] もう謝らなくていいから
―――――

そのあとのやり取りで僕たちは二度目の待ち合わせ日時を約束した。

☆★
2回目の待ち合せ日

さっきから黒縁メガネの、一見、ガリ勉タイプの男性がそわそわと辺りを見回している。まだ時間じゃないけど、きっとあの人かな?目印もバッチリ、間違いない。
お世辞にもイケメンとは言えないけれどデブでもハゲでもなく普通でいい感じ。
アユミは思い切って声をかけることにした。

「あの~、ハジメさんですか?」

「はい」

「やっと会えたっ!、アユミです」

「か、可愛いい。あっ、失礼、何言ってんだろう。」

咳払いして仕切り直す。

「どうも、はじめまして、ハジメです。ここ笑うとこです(笑)」

「もう、ハジメさんたら(笑)」

二人は、待ち合わせ時間の10分前に出会うことができた。祈願ともいうべき はやる気持ちは同じだったようだ。
アユちゃんは同じ歳で思ったより背が高く、170センチの僕よりちょっとだけ低いくらいだったけど、女性なら誰もが憧れるようなスリムボディで、本当に可愛いかった。

ゆっくり話せるところを探してカフェに移動する。

「来てくれたんだね。よかった」

「この前は、本当にごめんなさい。」

「もう忘れた。何のことだっけ(笑)」

「ホントやさしいんだから。ハジメさんは。私の第一印象どうですか?がっかりしてません?」

「全然。素敵です!逆に僕なんか不釣り合いで申し訳ないとちょっと凹んじゃうよ。」

「そんなあ、やめてくださいよ~(笑)」

笑ったり、驚いたり、心配したり。。。
もう何年も付き合っているかのように話題は尽きることなくおしゃべりは続いた。

「ねえ、アユちゃん。もう一度ちゃんと言わせて」

「えっ、なあに?あらたまっちゃって」

「僕のカノジョになってください。今日、実際に会って心から思うんだ」

「嬉しいけど・・・私なんかでいいのかな?」

「思った以上の人だった。よろしくお願いします。」

「ありがとうございます。じゃあ、私もちゃんと『カレシになってください』って言えるまでもう少しだけ時間をください。」

(この場に及んでまだ。女ってヤツは本当にわからない動物だ)

「そんなに焦らすなよ(照笑)」

「Noをいうつもりはないの。だって、もうそのようなモノでしょ。ただね、まだ会ったばかりだから、もう少しお付き合いしてリアルな私の良いとこも悪いとこもわかって、それでもハジメさんがいいって思ってくれるなら、その時は心から『お願いします』を言わせてもらいたいの。」

「わかっったよ。もう迷わない。信じる」

アユちゃんの気持ちはなんとなくわかった。
これまでバーチャルの世界での友達としてしか接してないのだから、僕が三次元でのギャップを感じるんじゃないかと心配しているんだ。想像以上にしっかりした子なのかもしれない。身なりも上品だし結構、いいところのお嬢さんだったりして。

ここまできたら焦ることはない。彼女のペースで付き合っていけばいい。
今日は出会いのリスタート記念日だ。
それから二人は一緒に買い物して、イタリアンでディナーをとり、軽くBARで飲んで別れた。

☆★
その日の深夜、アユミはYumeさんにLINEで嬉しさを爆発させた。

—– LINE —–
[A] Yumeさん、ご報告します!
ついに会っちゃいました(嬉)
想定内、思っていた通りの人でした
―――――
[Y] よかったね
イケメンさんだった?
―――――
[A] ではなかったですけど
普通です(笑)
―――――
[Y] それでどうだった?
ちゃんと話せた?
―――――
[A] どうもこうも最高ですよ~
古くからのお友達みたいで (^^)v
―――――
[Y] そう。楽しそう
―――――
[A] 2回目の告白もいただいちゃいました
\(^◇^)/
―――――
[Y] ご馳走さま
お相手はゾッコンだね
じゃ付き合っちゃうしかないね
―――――
[A] あと何回かあってお返事しようかと
―――――
[Y] まあ、一歩前進か
頑張りなさいな
―――――
[A] は〜い
また報告するでアリます
―――――

 

― つづく ―

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