共通の知人
作:神月 無弐
◆これまでのあらすじ◆
不運な出来事が重なりすれ違ってしまったハジメとアユミ。共通の知人のあと押しで2度目のオフ会の約束をする。やっと出会えたのになかなか進展しない二人は本当の恋を手に入れることができるのか?アユミは決意する・・・
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【第4章 ① 二人?!】
それから僕たちは何回かデートを重ねた。アユミは相変わらず慎重だ。まだ手もつないでいないプラトニックな関係だけど、それでも一緒にいると半端なく楽しい。
変わったことといえば。。。
あれ?いつからだろう。
そういえば自分でも気づかないうちにアユミと呼び捨てになってる。
友達以上の関係になったということだろう。
「そっか、ずっとYumeさんにアドバイスもらってたんだね」
「うん。そうなの。私たちの恋のキューピットみたいな人よ」
「アユミがお世話になってるならお礼言いわなきゃ。」
「じゃあ、名前教えてもいい?」
「Yumeさん驚くだろうな」
「ハジメさんだったとはね(笑)」
「アユミは会ったことあるの?」
「まだないよ」
「どんな人だろう」
「そういえば男の人?女の人?」
「僕は奇麗な女の人だと思う。」
「それは希望でしょ(笑)」
「だったら私は男だと思う。それも超イケメン(笑)」
「なにそれ、イケてなくてすみませんね(笑)」
二人は大声で笑った。
「ねえ、私、いいこと思いついちゃった!今度、三人で会おうよ。ハジメさんにちゃんと伝えなきゃいけないこともあるし。そこで立会人になってもらおうよ」
「何の?」
「わ・か・る・でしょ」
(延ばし延ばしにされていたカノジョ宣言をYumeさんの前でしたいというのだろう。嬉しいけどやっぱり女は時々よくわからなくなる。)
「いいけど、YumeさんOKしてくれるかな」
「私 LINEしてみる!」
—– LINE —–
[A]
アユミです。私、決めました。ちゃんとお返事しようと思います
―――――
でね、Yumeさんにもぜひ立ち会って欲しいです。
ダメかなあ?
お会いできませんか。
―――――
Yumeさんからは返信がなく、二人でいる間に既読になることはなかった。
☆
翌日
—– LINE —–
[Y]
遅くなってごめん。仕事終わったの深夜になっちゃて
―――――
あっ、Yume さんからだ
―――――
[A]
よかった (~~) 怒らせちゃったかと
―――――
[Y]
な訳ないじゃん
決めたんだね
アユミちゃんが元気だとうれしいよ
―――――
[A]
なら、私の我まま聞いてもらえますか
―――――
[Y]
どうしても会いたいの?
幻滅させちゃうよ
―――――
[A]
二人がこうやっていい関係になれたのも共通の知人であるYumeさんのおかげですもの。
ぜひぜひ
―――――
[Y]
オーバーだなあ
―――――
[A]
お礼もかねてご馳走させてください。
―――――
[Y]
気遣いすぎだよ。言いたいこと言っただけだから
―――――
[A]
それが良かったんです
だからYumeさんの前で私の思いをハジメさんにちゃんと伝えたい!
―――――
[Y]
わかった×2
―――――
[A]
ほんと?ですか
―――――
[Y]
いいともー!
―――――
[A]
やったあーーーーーーー!!!!
日にち調整してまた連絡しますね
―――――
[Y]
仕事がなければ大抵合わせられるから
―――――
[A]
ところで、失礼なんですけどYumeさんて男性・女性?
―――――
[Y]
今さら?
じゃあ、お楽しみ。会えばわかるよ。
―――――
[A]
ですよね。ハジメさんも同じこと言ってました(笑)
―――――
[Y]
そう
―――――
[A]
そうそう、それから
目印は前に教えてもらったおまじないの「赤と黄色のブレス」にしますね。
気に入ってるんだ
―――――
[Y]
それは良かった
楽しみにしているよ
―――――
[A]
は~い
―――――
☆★
Yumeさんとの約束の日
僕とアユミはYumeさんとの待ち合わせ15分前にお台場の駅で合流して、集合場所であるファッションモールにあるカフェに先に入った。
通されたのは丸テーブルの4人掛けテラス席だった。3人にはやや広すぎる感のあるゆったりサイズだ。白いパラソルがオブジェのように南国を思わせる演出を一役かっている。
「雰囲気もいいし、ここで正解だったかも」
「うん、そんなにうるさくもないし、出会いの場所としては合格ね。目印の赤と黄色のブレスもつけてきたしとっ。早く来ないかなあ」
「ヤバい。僕、Yumeさんに会えると思うとなんだか緊張しちゃうんだけど」
「大丈夫。きっと素敵な人よ。ラブ・ジョークで笑わせてくれるよ。」
顔も年齢も性別さえも知らない人を待つ。本当に来てくれるだろうか?また裏切られるんじゃないかという心細さもある。
(二人でよかった)
それから たわいもないおしゃべりをしていると、やわらかそうな栗毛色の髪をゆるく縦に巻いて大胆なデザインのパンツスーツを着た小柄な読者モデルといった身なりの女性がひとり近づいてくる。
「アユミちゃん と ハジメくん ? かな」
「は、はい。 Yumeさんですか?」
「はじめまして。黒木美優紀です。あっ、本名言っちゃった。オフ会なんて出たことないから勝手がわからなくて。」
「あの、僕は・・・」
「ああ、いいわ。アカウントネームで。」
「目印ちゃんとつけてくれてたからすぐにわかったわ。」
腕時計に目をやる。時間通りだ。本名まで教えてくれた。真面目な人だと思った。
「今日はありがとうございます。お会い出来て光栄です。」
「そんなかしこまらないで大丈夫だから」
「 Yumeさんのお話本当に助かってます。見てくださいよ〜、女子力全開になっちゃいました。」
「アユミちゃんは、いっつも素直だからお姉さん心配しちゃうんだ」
「ありがとう!」
そこへサングラスをかけたホストのような男が現れた。
「あっ、遅っそいよ」
「お待たせ。少し遅れちゃったか。メンゴ」
何事もなくただ待ち合わせに遅れただけの平然さで空いてる席に座る。
・・・。
僕らは二人を交互に眺めた
「どういうことですか?!」
「 Yumeさんの彼氏さんかなんかですか?」
「彼氏だって」
男と顔を見合わせてYumeさんが笑った。
「俺らはビジネスパートナーだよ。あの旅情報サイトの」
「???」
「ははは、まだわかんないかあ?色ボケかな?」
あっつ!
「どっちもYumeさんね。
私たちが共通の知りあいと思っていた Yumeさんは、同一人物だとばかり思っていたけど実は2人いたってことよ(怒)」
珍しくアユミが声を荒げた
「正解!」
「えっつ!!!???」
― つづく ―
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