バブル期に一世を風靡した なつかしいCMに
「24時間戦えますか?」
というキャッチフレーズの企業戦士をターゲットにしたエネルギー補給飲料のものがあった。

出典:三共製薬(旧)/1989年CM
念のため「24時間戦えますか? = 24時間働けますか?」ではない。仕事もプライベートも頑張るということをメーカーは意図している。
当時は、働けば働いただけ収入も上がり豊かな生活が送れると誰もが思っていた時代を象徴しているようだ。
何もかもがバブル期のように順調であれば自然と活力も湧いてきますが、今の時代、組織の歯車として同じことをしていれば、いつしか新鮮さがなくなりマンネリや倦怠期につながることもあるでしょう。成果も上がりにくい時もあるでしょう。
そんな時はモチベーションや思考の持ち方が大切です。
年度替わり、新人を受け入れての新たな顔ぶれで臨むこの時期、原点に戻って後進の見本となるような活力あふれる行動を見つめ直すことも必要ではないだろうか。
そこで24時間戦うための思考方法のヒントをご紹介しよう。
◆サラリーマン思考にプラスして起業家思考を持とう
サラリーマンと起業家の圧倒的な思考(考え方)の違いのひとつは
「会社から給料をいただいている」 VS 「お客様から報酬をいただいている」
という意識ではないだろか。
「サラリーマン」の場合
◆責任の範囲や仕事の領域が限定
◆絶対服従(会社の方針や上長の指示通り)
◆仕事を選べない(毎日ほぼ同じ)
◆給料は、ほぼ安定
◆オンタイムとオフタイムを切替えやすい
サラリーマンは会社からお金を貰っているという概念が抜けない。
そのため知らず知らずのうちに会社、いや、ストレートにいうと上司がお客様になる。会社も消費者やお取引先といったお客様から利益をいただいていることが頭では理解しようとしていても環境がそうさせてしまうのだ。
しかしこれが曲者。
上司とは厄介なもので結局は自分より上位職の風向きを見ながら恥ずかしげもなく方向転換する。
そのため現場は振り回され、リーダー格のポジションにある者は上から下からの板挟み状態となって体力的にもメンタル的にもダメージが大きくなる。
まあ、この環境を上手く渡れた者には出世というご褒美があるのだが。
「起業家」の場合
◆すべての責任は自分
◆自由に仕事を選択できる(自分の判断)
◆常に判断が伴う
◆報酬は実力次第
◆24時間常に会社のことを考えられる状態を維持
起業家は常に自分の事業を通してのお客様を軸にした思考のためブレが少ない。
出世などしなくても自分がTOPになればいいと考えるので、上司への忖度の必要もなく、組織にとらわれることなく俯瞰から物を見て考えられる。反面、個人事業などではオンとオフの切替がしづらく、すべてが自分のジャッジによる責任を負うことになりリスキーな面もある。
極端な話をすれば、サラリーマンはある意味「思考」しなくても生活の安定は保障されているわけだが、これに甘んじて「波風立てずに言われたことだけやっていればいい」「俺には才能ないから」「アイツはいいよな」と消極的になったり後ろ向きになったり、自分を卑下したり、他人を羨ましがったりする者がいます。
気持ちはわからなくもないのですが、これでは前向きで建設的な仕事はできません。
確かに、組織の中で働いているわけですから協調性をもってルールを守ることも大切です。サラリーマンとしての本分を十分に全うするとともに、起業家のような創造思考を取り入れて行動することでパワーアップできるはずです。
では、起業もしてないのに起業思考は身につくのでしょうか?
答えは「YES」です。
会社側からの見方だけでなく、お客様側からの視点、そして進むべき正しいジャッジの方法を意識して考える習慣を身につけるだけでも考え方の広がりが格段に違ってきます。
イメージしてみてください。
あなたがもし、起業家(社長)だったら「思考」する事ばかりです。
☑ 今期の経費予算は
☑ 人員計画は
☑ 資金繰りは
☑ 今月の計画は
☑ 週次・日次の計画は
☑ お客様が喜ぶ商品やサービスとは
☑ 競合はどんな戦略なのか
☑ 誰と会い、どう交渉すべきか
☑ どこに投資すべきか
など
まずは、ご自身のSWOT分析をしてみましょう。
SWOT分析(SWOT analysis)とは、目標を達成するために意思決定を必要としている組織や個人のプロジェクト、ベンチャービジネスなどにおいて、強み弱みを外部環境と内部環境の
S trengths (強味)
W eaknesses (弱み)
O pportunities (機会)
T hreats(脅威)
の4つの視点で整理して次のアクションに活かします。
これを自己啓発のために応用します。
まずは上の図に習って
1.自分の武器や足りないものを洗い出します
自身のノウハウやスキル、長所短所などを所定の場所に書き出してみましょう。
誰に見せるわけでもないので恰好つける必要はありません。あなたのありのままを表現して、今の自分を自身で正確に把握します。
2.自身の武器となる要素を整理します
・強みを積極的にどう生かせるか
・人と差別化するにはどうすべきか
・弱みをどうすれば補強できるか
・カバーすべき弱みと切り捨ててもいい弱みを見極める
を明確にします。
そしてその理由を考えます。これがとても重要なことです。
その理由を自分自身の中で納得し消化できた時に、意識しなくても思考の視点がブレなくなって、行動もしやすくなり時間も節約できるようになります。そして新しい発見、新しい企画や提案も生まれやすくなります。
成果が上がっていない時に後ろ向きになるのは逃げです。
何も言わず黙って組織に従っているだけではもったいない。起業家思考をプラスしてモチベーションを上げていきましょう。
あなたが変われば周囲も不思議と変わってくると思います。
営業諸君!
お客様のために良いと思ったことは、組織の中といえども立場に遠慮することなく積極的に詰めていく習慣をつけましょう!
健闘をお祈りする