営業アラカルト

【心に残る営業秘話】新年度スタート ▷「率先垂範」で新人と向き合おう

 

真新いスーツに新しい鞄。まだ着慣れないぎこちなさを若々しい特有のオーラでカバーしている新社会人が駅や街のあちらこちらで見かけるようになりました。
社内では「今年の新人(新卒)はどうだ?」なんて会話がなされている時期ですね。
新人研修は順調でしょうか?
「優秀は優秀なんだけど・・・」「どうも扱いづらくて」「会話がかみ合わない」「話を聞いてるのかどうか?」など物足りなさを感じていらっしゃる方も多いのでは。

確かに毎年、育った時代を反映して個性的な人材も多いようですが、基本は同じ人間。自分の新人時代を振り返りながら接することでお互いの理解を深められるのではないでしょうか。
今回は、初心に戻って私の体験から新人との向き合い方を整理してみたいと思います。
新人教育等で何かのヒントになれば幸いです。

 

営業の基本「相手を知る」ことから、今どきの若者の特徴を整理してみます。
「昭和」から「平成」と時代が変わり、早30年。猛烈からゆとりへ、物のない時代から物があふれる飽食の時代へと人々の思考や環境にも大きな変化が出てきたようです。
その中で育ってきた平成生まれの新人の特徴としては下記があげられます。

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<長所>


・感性が豊か(フィーリング世代)

・周囲との摩擦を嫌い仲間を大切にする
・人前でも物おじしない
・損得や好き嫌いがハッキリしている
・男女の区別にとらわれない
・関心があることについての知識吸収は早い
・言葉遣いがやさしい
・オシャレに気を配る
・明るく楽天的
・遊び上手
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短所


・自発的な発言や反応が薄い

・素直に助言を受け入れにくい
・周囲の視線を気にしやすい
・理屈で納得できないと動かない
・自分の言動の影響について鈍感
・周囲への甘えや依頼心が強い
・人間への関心が薄い
・執着心が乏しく我慢に欠ける
・自分の殻に閉じこもりやすい
・ボキャブラリーが乏しい
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学歴/受験社会の中で、塾通いの多忙な毎日を送り時間の余裕もなく心身ともに疲れて気力や活力をいつの間にか失ってしまったり、欲しいと思うものは大抵与えられながら成長してきたため、真面目にコツコツと努力したり我慢したりする姿勢に欠けたり、世の中の風潮として正義感が全体的に薄れて小さな悪はまかり通ってしまうことが当然のようになってしまい、利己主義的傾向が強まったなどの社会変化による影響を大きく受けているのかもしれません。
ですが。One on Oneでじっくり話してみると、人間的には問題なくとても良い人材だったりします。

私が通信販売会社の広告宣伝部で課長を務めている頃、社内で初の新卒採用が決まり8名ほど採用されたことがありました。
当初、長野に本社(*現在は東京)があったため地元のウイークリーマンションを2週間借りて各自に部屋を確保し、泊まり込みで本社に通ってもらい新人研修を行うことになりました。
まだ社歴的にも若い会社だったので、教育の担当やあるべき研修方法のイロハを知る者もおらず、まずは創業社長の意に沿って

・配属部署が決まるまでは社長直下の営業・マーケティング部隊としての位置づけで向かい入れる

・各部署の責任者が2週間を有効に使って順番に組織の説明をする

・課題を設け2週間のうちに消化提出させる

・レクリエーションを盛り込みチームワークを構築

・2週間の研修で各自の適正と配属先のあたりをつける

・長野での研修完了後、東京支社にてワークショップ

というやり方で始めました。

最初のうちは物珍しさも手伝ってか目を輝かせて聞き入っていた新人たちも、日が進むにつれて慣れが出て詰めの甘さや適当さの加減違いが露呈してきます。
都度、注意助言はするのですが、研修担当者の頭には絶えず「創業社長肝いりの預かり部隊」というのが厄介で、変な偏見や色がつかないようにどこまで本気になってこちらが指導していいのか扱いに困っていたのも事実です。
さすがに同じ釜の飯を食べる状態に近い環境にあったのとバーベキューやボーリング大会などのみんなで一緒にやるリクリエーションが功を奏して、新人同士のコミュニケーションが良くなり、同期としてのチームワークが良くなったのはプラスでした。

長野での2週間を終えて、東京支社では商品販売のための競合商品調査や販売手法の整理など
営業としても役立つワークショップをグループに分かれて行います。

ただし、この時は趣旨説明と質問があった時の対応以外は自主性に任せる意味での放置手法を取り進捗から研修終了のコントロールの一切が、創業社長に一任される形でした。これは創業社長ご本人が望まれたことでしたので私たちはそれに従うしかありません。
当然のごとく、創業社長は多忙で飛び回っており、なかなか新人に接する時間など取れるはずもなく、大丈夫だろうかと心配しておりました。

そのイヤな心配は的中。
1週間、2週間と経つうちに明らかに窓際族のようにただ時間をつぶすだけの気だるさと疲れが新人たちの表情に出るようになりました。ワークショップや研修というよりも無期限の自習のような状態でしたから無理もありません。
就業時間がくると挨拶もなしに知らないうちに帰宅している新人も見られるようになりました。

私はできるだけ挨拶や邪魔にならない程度の声掛けをするように努め、上長の部長には「このままではまずいのではないか」の趣旨で進言しましたが、それ以上のことはできませんでした。
組織というものは実に気配りのいるところで、私の上には部長、本部長といるわけですが、そこには創業社長に絶対服従の思惑があるようで創業社長にこの状況が伝わることはありませんでした。

結局、ワークショップ研修という名目の放置プレイは半年近くだらだらと続き、不満が募った新人の中には早々に退社する者もいました。

今になれば広告媒体の承認をいただく際などに創業社長と直接話せる機会があった私が、あの時、組織のことよりも本気で新人のことを思って創業社長に現状報告をして改善を求めるていたら、新人たちも違った意味で成長できたかもしれません。
本当に申し訳なく思っています。

そんな反省に報いるように、私は大きな喜びを新人からもらいました。
忘れもしません。

「ハクさん、僕に手伝わせてください」

(*アカウントネームでご容赦ください)

ひとりの真面目な新卒入社の男性社員の言葉でした。
当時、タバコ休憩の喫煙室で顔を合わせる程度で正直、力量も知らない新人でした。
彼は自分たちが放置されて時間に余裕がある中で社内を観察し、媒体計画、広告代理店交渉、広告の効果分析、企画説明、コールセンターのスクリプト調整、他部署連携と多岐にわたって毎日の仕事をせわしなくこなしている私を信頼できそうな先輩と直感的に思ってくれたらしく、喫煙所でシステム部の同僚に愚痴をこぼしていた時に、突然、彼が言ってくれた言葉でした。

私は一瞬、固まってしまうほどの驚きと感動が湧き上がりました

そして学びました。
どんな状況下にあっても志を高く持っている人間は、年齢や経験に関係なく注意深く物事を観察し進めていける気質を持っていることを。
もしかしたら創業社長はそこでの人選をふるいにかけるつもりであえて放置という形を取ったのかもしれません。これは相当の我慢強さと度量の大きさがなければできません。
本当に日々勉強させられます。

私は、迷うことなく彼を自分の下に配属してもらえるよう根回し、実現させました。
彼は期待に応えてスポンジのように業務を吸収し、のちに私の右手、いや、パートナーとして私が会社を離れるまで苦楽をともに過ごしました。

私の経験は一つの例にすぎません。それぞれの会社にそれぞれの方針があり、研修方法も違います。
座学形式、ワークショップ、OJT、同行見習い、即実践・・・どれもが必要なことです。
ここで忘れてはいけないのは、

迎える側に育てる意識と環境がないと新人は不幸になる

ということです。育てる環境がないのならせっかくの原石も宝の持ち腐れにもなってしまいますので採用すべきではないのかもしれません。
新人をどうこう語る前に、受け皿としての自分たちがどうなのかも自問する必要がありそうです。

 

営業諸君!

ヤル気のある新人は先輩の行動を確実に見ている

率先垂範」 を肝に銘じて新人と向き合ってみてはどうだろう。

健闘をお祈りする。

 

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