今回はちょっと気分転換。
「色」が付く故事ことわざに「英雄色を好む」という言葉があります。
歴史上の人物ではナポレオンや豊臣秀吉などが例に挙げられることが多いですが、ここでいう「色」とは色事(色情、恋愛)のこと。
英雄・豪傑と呼ばれる男性は何事にも精力旺盛であり、自分の意のままにしたいという欲が強いので好みの女性もみんな自分のものにしようとすることから、女性の性的な魅力や愛情を好む傾向があるということ。
では、なぜ男女関係の情事に関することを「色事」というのでしょう?
諸説あるようですが、色の語源を調べてみると色とは「人」+「巴」の組み合わせです。
「ク」の字が上に乗っている人(男性)を表し、「巴」が腹ばいになって寝ているもう一人の人(女性)を表しており 男女が重なっている形 すなわち 性行為をしている姿 を象って作られた文字だといわれています。
そして、日本ではエッチの代名詞的な色として「ピンク(桃色)」が使われます。
これは性行為をすると肌が紅潮し色づくことからピンク(桃色)は「紅潮した人肌の色」を連想させるエッチな色として認識されるようになったからと云われています。
昔はAVやポルノ映画をピンク映画と称していたそうです。
米国では昔のポルノ映画で使われていたフィルムが少し青みがかっていたことからblue filmと「青色」を表すブルーが用いらています。
中国では「春」という言葉が若く元気な時期を表すことから春が「性」を表す言葉として使われますが、その春を代表する花が「桃」であり、日本と同様に「桃色」というのは乱れた男女関係を表す表現となっています。
このように「色」は、「色彩(color)」の意だけでなく、「色事」、「色情」、「色香」、「好色」、「色魔」、「色ボケ」など、「性的な事柄」の意も表します。
これまでに学んだ「色は心情を表す」一例ですね。色の種類がこんなにも多くバリエーション豊かなのがうなずけます。