色/背景の活かし方

色を知る者は背景を制す⑳:色の目立ち方を決めるのは「視認性」と「可読性」

 

色には蛍光色など特別な色を使わなくても「目立つ」「印象に残る」色があります。それは単色だけに限りません。文字の色と背景色、イラストと背景の色など色の組合せによってもかなり見え方が違います。

色を目立たせるには人の目を引く「視認性」と読みやす・わかりやすさという「可読性」がポイントとなります。

まずは、目立つ色の性質を知ることで背景色の選び方を学んでいきましょう。

 

単色で目立つ色は明度の高い暖色系

 

目立つ色の代表は、禁止を伝えるには赤、危険や注意を促すには黄、など標識や信号にも採用されることが多くレスキュー隊のオレンジや作業員のベストなども同様に赤やオレンジ、黄などの暖色系は人の注意を引きやすい色とされています。このように無意識でも自然に目に飛び込んできやすく人の注意を引く性質を「視認性」といいます。前段の例のように一般的には明度の高い暖色系の色が視認性が高く目立ち、逆に冷たく感じる寒色系ほど低い色といえます。

他にも以前お話しした「純色(白や灰色、黒を一切含まない色のこと)」も様々な色の中で最も純粋で主張の強い色といえます。派手なイメージがあり活動的な力強いイメージの配色には向きますが反面、全体を整えるのが難しい色とも言えます。

 

 

組み合わせで目立つ色は可読性が高い

可読性とは目で見た時の認識しやすさの度合いを表したものです。色の可読性は単色(1色)で決まるものではなく、組み合わせによって決まります。

例えば黄色の場合、背景が白っぽい時には可読性は下がり、明度が低い黒っぽい色の時には可読性が高まります。要は「隣り合う色や背景色との明るさの違い」によって大きく異なるということです。工事現場の黄色に黒ラインの衝立や規制テープなどはまさに明度の対比を効果的に使った目立たせ方といえます。


 

また、

純色を中心とした鮮やかな色の組み合わせや補色(色相環で正反対に位置する関係の色の組合せのことで反対色ともいいます)関係の組み合わせで目立つ配色をつくることができますが、明度・彩度・面積などの組み合わせ方を間違えると逆に読みにくくなってしまうものがほとんどです。

例えば赤と水色の補色関係では下記の通りです。

青と黄色の組み合わせでは同面積だと目がチカチカする感じですが、面積に差をつけると小さい方の黄色が引き立ちます

このように色の「視認性 と 可読性」を知り意識することで、あなたが販促物や作品に取り組む際に、どの色を使って誘目度を上げて「作品自体の存在感」を示し、どの色と組み合わせることによって可読性を高め「内容が読みやすい・分かりやすい」ものに仕上げるかの決め手となります。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です