これまで色についての様々な概念を学んできましたがここからは背景作りに実践してみましょう。
SNSが発達し、様々な画像や素材で個性をアピールする時代、背景の色選びに悩むことも多いのではないでしょうか?
「背景」とは主役となる画像や文章の引き立て役のようなものです。主役を目立たせるためにはいくつか守るべきルールがあります。
・主役より目立たせない
・全体のバランスを整える
・イメージを統一する
当たり前のようですが、意外におざなりにされているのではないでしょうか?
主役を目立たせるには、
1)主役の個性を汲み取ってテーマとなる色を決める
2)色が与える効果を考慮しながら全体のイメージを組み立てる
ことが大切です。
では、今回はテーマカラーの決め方についてです。
◆主役の個性からテーマカラーを決めるとは
画面や紙面に構成される素材のメインとなるあるいは全体的な色彩の印象から受けるイメージカラーを決めます。
例えば下の写真では「オレンジ」「黒」「緑」が目に飛び込んできてハロウインのイメージが瞬時に伝わってきます。
同様にクリスマスでは「赤」「緑」「白」、お正月は「紅」「白」など伝えたいことのイメージを印象付ける色がテーマカラーとなります。
ここで選んだテーマカラーを基本に背景を考えるには
主役の個性色に合わせる
これは読んで字のごとく主役となる素材と同系色を選びます。題材の素材では特にオレンジと黒のコントラストは印象深いですね。
実際に背景に置いてみるとこうなります。
ですが、主役と同じ明度や彩度をもつ色をそのまま使ってしまうと主役の素材を同化させて目立たなくさせてしまいます。
そこで「背景は主役より目立たせない」というルールに則して数段階トーンを抑えてみます。
グッと主役が引き立ちました。
背景は、あくまでも控えめな主役を目立たせる名脇役ということですね。
ちなみにハロウインの世界観にはピンクや真っ青は存在していませんが、主役素材の個性を無視した色を背景に選んでみましょう。
なんだかしっくりしませんね。
ただし、可読性という面ではあえて文字やぼかし、影などにこれらの色をワンポイントで使うこともあります。その際には常に全体のバランスを見ながら配色することが肝心です。やり過ぎはかえって目立たなくなり乱雑なイメージを与えてしまいかねませんので注意しましょう。