営業活動を続けていると、時には見えない壁にぶつかってスランプに陥ったり、目標から逃げ出したくなったりすることもあるでしょう。でもそのたびに思い詰めることはありません。何をやっても好転していく強運の持ち主はそうそういないのですから。
ですが、そこで忘れてはいけないことがあります。
それは
「プロとしての気概」 を持つ
ことです。
人はツライ目にあうと逃げ道を求めてついラクな道を進もうとします。時と場合によって選んだ最善の策としてはそれもアリなのですが、逃げからは成長や発展は望めません。
誰も見ていないところでも、どんな状況下にあっても、ブレることなくひたむきにツライことに立ち向かってがんばり続けられるのがプロです。
営業には資格試験のようにプロと一般を線引きする基準はありません。だからこそ誰もがプロ意識を持つことでプロになれるのです。
では、プロになるための心得をいくつかご紹介しましょう。
<プロとしての心構え>
・平等品質(バラつきの無いクオリティ)
・約束厳守(できない約束はしない)
・納期厳守(期限内に必ず遂行)
・真剣勝負(緊張感を持って本気で)
・平常心(感情をコントロールする)
・怠慢厳禁(手抜きをせず全力で)
これは説明するまでもなく当たり前のことですよね。
営業として「お客様を差別することなく果たすべきことを粛々とこなす意識」です。これを常日頃、自然に実践できる人たちがプロと呼ばれます。頭ではわかっていても本当の意味でこの境地に到達するのはなかなかですよね。
では、プロになれる人とそうでない人の違いはどこにあるんでしょう?
参考にいくつかご紹介します。
◆プロは高みを極めようとするが、普通の人は言い訳で自分を慰める
プロは、現状に甘えるこことなく高い目標も持って常に成長を意識しています。そのための自分流のスケール(判断基準)を持って高みを極めようとし、そのためにどうすれば良いのかその方法を徹底的に考えます。
反してプロ意識の低い人は、何かとできない理由を見つけて言い訳をして「これで十分」とあきらめて自分を慰め、現実から目を背けようとします。
◆プロは時に自分を追い込めるが、普通の人は逃げ道を探す
プロは目指すべき目標達成のためにはストイックに自分を追い込み、今、何をやるべきかを明確にしようとします。そのため時間をムダにすることもありません。
反してプロ意識の低い人は、ツラいことを避けてラクな方法での目標達成を模索します。結局、遠回りすることも多く、時間を浪費しがちです。
◆プロはモチベーションを維持し、普通の人は感情に左右されやすい
プロは、目標達成のために強い自信とプライドを持って、モチベーションを維持してあきらめることなく頑張り続けます。スランプで不調な時や挫折や壁を感じても前へ進むエネルギーが失われません。
反してプロ意識の低い人は、一時の感情に一喜一憂しやすくテンションが上がったり下がったりを繰り返してムラがあります。
◆プロは自分と戦い、普通の人は自己保身する
プロは、どんなに厳しい局面になっても自分を信じ、自己保身することなく自分自身の心と戦い、奮い立たせて現実から逃避しません。
反してプロ意識の低い人は、自己保身が強く、勝ち目がないとすぐに自分を守ろうとして現実から逃避してしまいます。
◆プロは目標の達成感に満足する時間が短く、普通の人は満足で完結する
プロはゴール目標に達成するまでの間に、通過点としてのいくつもの小さな目標達成があったとしてもその達成感に長く酔って満足することはありません。次の目標に向けてモチベーションを高める材料として、すぐ次の目標に向けて気持ちを切り替えます。
反してプロ意識の低い人は、目先の小さな目標達成を大きく喜び満足してしまい、なかなか次の目標に取り組もうとしなくなってしまいます。
◆プロはスマートに努力し、普通の人は周りを巻き込んで頼る
プロは確固たる信念や自分流のスタイルを持っているので、自然体でブレがなくコツコツとペースを乱すこともなく努力を続けられます。
反してプロ意識の低い人は、自分の努力を認めてもらおうと過剰にガツガツとアピールしたり、スランプに陥ると他人を巻き込んで頼ったりもします。
調子の良い時には「やり過ぎ」、不調の時には「動かない」という行動パターンにムラが生じやすいようです。
◆プロは自己管理を徹底するが、普通の人は自分を甘やかす
プロは自分自身を的確に分析することを怠らず、長所を伸ばして短所を改善強化するように努めます。日頃から体調や感情を含めて冷静にコントロールできるように自己管理を徹底するので、約束の日に体調不良でドタキャンというようなこともほとんどありません。
反してプロ意識の低い人は、自分の力量を過信し過ぎて失敗を招いたり、その場の流れに合わせて対処はするものの最終結果は人任せでできるだけラクな道を選んでしまうなど自分を甘やかせてしまう傾向が強いようです。
こうして整理してみるとプロと普通で終わってしまう人の違いは、ほんの少しの「意識の持ち方」や「努力」の差の積み重ねが大きな差につながるようです。
決して難しいことではないので、まずは「プロとしての気構えを持つ」という意識改革から始めましょう
また、プロの育成には組織としてのバックアップも重要です。
◎伝える力と武器を総合的に用意して営業効率をアップ
営業は伝える力が重要です。自社の商品やサービスの魅力がお客様に伝わらなければ購入してもらえないからです。流暢に話せる能力があるに超したことははありませんが、伝えたいことがわかりやすくお客様に伝われば問題ありません。そのため、会社は営業話法だけでなく、独自の営業ツールなども含めて伝えるコミュニケーション技術を教育する必要があります。
営業が最前線で活躍しも、組織がフォローアップしなければ効率よく成果を上げる営業活動はできません。組織として一度じっくりと今の営業活動に必要なものの洗い出しと過不足を精査して営業強化を図ってみてはいかがでしょう。
営業諸君!
営業は会社の代表としてお客様と接するため 「会社の顔」 ともいえます。
唯一の接点であるあなたが営業のエキスパート(プロ)としての自覚を持たず流されているだけであれば、対応されているお客様にとっては不幸です。
お客様はあなたを通して将来のビジョンに期待したり夢を抱いたりするからです。
どうか、
お客様のためにも、プロ意識を持って営業活動に臨んでいただきたい
健闘をお祈りする