今回はちょこっとブレーク。
これまで何度か取り上げてきました営業電話のマナーについてのお話です。
新規顧客の開拓で、紹介や自社ホームページなどへの問い合わせによるインバウンドのお客様との対応は比較的ラクだ。魚釣りのように餌をまいておけば向こうからニーズがあることを知らせてくれるからだ。飛び込みセールスなどではそうはいかない。
多くの場合、営業の1歩目としてテレアポをされている方も多いだろう。
とはいえ今の時代なかなか取り次いでもらえないのが現状ではないだろうか。そのためテレアポ専門の会社に成果報酬型で委託しているという話もよくお聞きする。
できれば、直接お話ししながら相手の温度感を探るのも営業の醍醐味だろう。
そこで少しでもコンタクト率が上がる電話術をご紹介しよう。
ただし、人間同士の相性や会社によっての文化の差異など様々なので、あくまでも一般的な基本論として考えて欲しい。最後はあなたのキャラと経験則による腕がモノをいうだろう。
1)待たされてもしつこくしない
一般的なビジネスマナーとして「かかってきた電話は3コール以内でとる」のが良いとされています。これは、電話の呼び出し音を聞かされて「待たされている」と感じる人間の心理が働く時間が約10秒と言われており、電話1コールが約3秒なので3コール(≒9秒)以内になったといわれます。
電話の掛け先が完全なオフィス系なら受付業務を担当する部署もあり、そんなに待たされることもないのすが、小売店などの接客業の場合は、電話が置かれている場所が遠かったり(レジの近くなど)、お客様の対応をしていて電話に出たくても出られないという状況も考えられます。
3コール以上待たされても相手先の業務状況を想定して電話をかけるようにします。
また、出ないからといってあまり長くコールを続けるのも相手先の業務の妨げになってしまう可能性がありますので5~6コールを目安に時間を変えてあらためて掛け直すようにしましょう。
2)営業電話はなるべく午前中にかける
営業電話をする時間帯に悩む方も多いのではないでしょうか。
相手先の業種にもよりますが、時間帯によってアポイントの成約率の差が歴然とあることは否めません。平日にかける営業電話でのアポインとの成功率が高い時間帯は、おおむね午前中であるといわれています。
<午前中かけるとアポイントの成約率が高くなる理由>
■午前中は先方担当者が、当日または数日後の予定を最終調整中で確定していない可能性が高く、比較的アポイントにつながりやすい。
■タイミングが良ければ午前中の営業電話で当日午後のポイントが成約できるかもしれません。
躊躇することなく相手先に出向くことができるよう準備した上で意向を伝えてみましょう。行動力のある営業は信頼されやすく頼りにされます。
3)始業時間から15分後をねらえ
営業電話は相手先の始業開始時間から約15分経ってから開始すると良いといわれています。担当者の多くがまだデスクに着席している可能性が高いからです。
ただし、この時間帯は朝礼やミーティングが行われている可能性があります。その際には丁寧にお詫びし、都合の良い時間をお聞きしてあらためて掛け直します。
また、始業時間前や終業時間後の営業電話はマナー違反になりますので、お詫びして速やかに電話を切り、翌日以降にあらためます。営業電話をかける際には、事前に相手方の就業時間を知っておくことも大切です。
4)営業電話NGの時間帯
自分が忙しい時などに営業電話があったらあなたはどう思いますか。きっと対応するのが嫌になってしまうでしょう。意外と見落としがちな営業電話をしてはいけない時間帯を整理します。
■昼休みの時間帯
12時~13時は例外を除き、昼休みというのが日本の一般的な企業です。「とにかくアポイントを」との思いで時間を忘れて掛け続けてしまうこともあるのではないでしょうか。
昼休みは短い時間の中での昼食時間であり貴重な休憩時間でもあります。十分に配慮しましょう。
■相手先の繁忙時間帯
営業電話は午前中がベストとはいえ、例えば飲食店などに営業電話をする場合、午前中はランチタイム前の仕込み時間で大忙しですし、深夜営業をしている飲食店では仕事明けで眠りについた頃です。
相手先の業種を理解し、業務パターンを踏まえたうえで繁忙時間帯の電話は避けるようにしましょう。
■2月下旬から3月上旬の気遣い
個人事業主や零細企業へ営業電話をかける際には、避けた方が良い時期があります。それは3月。
毎年3月には確定申告があります。2月下旬から3月上旬は、経営者も会計事務所、税理士事務所
といったところは時間に余裕がありません。
この時期を避け、3月下旬の落ち着いた時期を見計らって電話をするようにします。
確定申告の時期が近付いたら、相手先の業種や事業形態にも気を配る心がけが必要です。
5)営業電話に臨む姿勢
■行き当たりばったりのとりあえず電話は非常に迷惑です。時間がない中であれこれと質問されると電話を切りたくなってしまうのが心理です。事前に相手先のホームページなどを見て基本情報をおさえ、商談内容をまとめておきましょう。
■電話口での態度も肝心です。上から目線の横柄な物言いや対応はいい印象を与えません。はじめての方には電話に限らず、男女平等に謙虚な姿勢で臨むことをお勧めします。
このように営業電話はアポイント成約だけを求めて、やみくもに掛ければいいということではありません。
営業の基本は、とにかく相手方の都合に合わせる
ということ。
相手方の業種をきちんと把握し、適切な時間帯に電話をすることがアポイント成約の近道です。
営業諸君!
営業は会社の顔であり代表
と言えます。
あなたの言動で会社の印象を下げてしまわぬよう、気概をもって臨みましょう!
私がクライアントだった時代には、お電話をいただいてもなかなかスケジュールに組み込めないこともあった。が、営業さんの知恵と熱意によっては実を結ぶこともありました。
よろしければ、こちらの例も参考まで(【心に残る営業秘話】カッコ悪くて上等、夜討ち朝駆けですが・・・何か?)
健闘をお祈りする。