当時、広告代理店10数社を相手に商談を仕切っていた私。
女性のコンプレックス解消商品をメインに展開していた通販会社の媒体担当。ともすれば眉唾物と理解されにくい商品だったため、交渉には1.5時間~2時間をかけ冗談や世間話を混えながらゆっくりと商品の理解を促すことに注力した結果だった。
相手にとっては忙しい中、迷惑な話であるのは重々承知。「あの担当は話が長くて困る」との陰口もたびたび耳に入ってきた。今は真摯にお詫びしたいと思う。
だが、私は商品に自信を持っていたし会社を大きくしたいとも願っていたのは揺るぎない事実だった。
100億円規模の売上に到達したころになると一日に何件もの広告・販売促進関連の売込みが飛び込み営業や電話セールス、ダイレクトメールなどによって毎日ある。
すべてに面会して対応することは到底無理な話なのだが、チャンスを逃すことなくピックアップしていきたいのもクライアントの本音だ。そこで取捨選択にあたってはとても気を遣うのですが、引いてしまうダメ営業のなんと多いことか。
・忙しい時間帯に平気で呼び出しをかける電話セールス
・同じ会社なのに担当者を替えてしつこく押し売りする会社
・せっかくアポイントを取っても遅れてくるヤツ
・こちらのことを全く下調べせずに商談に臨んでくるヤツ
・終始上から目線で話してくる業界人もどき
・初めて会うのにやけに馴れ馴れしいヤツ
・キレイどころを引き連れてホストのような振る舞いの勘違い営業
・必死過ぎて話が脱線して意味不明な担当
・新人の度胸づけに名刺だけ配らせにくる業界違いの会社
・せっかく取引の契約まで進んだのに媒体社を説得しきれずに白紙にしてしまうツメの甘い営業
・・・・などなど
パートナーとなる広告会社選びは本当に砂の中からダイヤを探すような作業に近かった。
そこで様々な営業と接することで得た経験からクライアントも対策をたてます。
私の場合は
・素性の知れない飛び込み営業には一切対応しない
・電話セールスは1回目は対応拒否、2回目にかかってきたら概要を聞きお断り、それでもあきらめずに3回以上かかってきたらアポイント商談する
・条件はオリジナルの企画、独自性のあるルート、値引き率、フットワークが見込める会社
というルールを決め徹底した。
また、どんな会社だって創業期はあるものだし、実際助けて欲しい時期にはなかなか手を差し伸べてもらえない悔しい経験を嫌というほど味わってきたので、商談相手となる会社様の規模は問わなかった。
結果、これが商談効率を高め、かなりの確率で頼りになりそうな会社様と出会うことができました。
取引が始まると、それはそれで
・できるだけ公平に時間を割く
・お付き合いは年2回以内
など
現在、新規を開拓されている営業ご担当者さま、お疲れ様です。
突き詰めれば商談は人間同士、どれだけ相手の立場や気持ちに親身になって対応できるか、要は「ハート(情熱)」が一番大切なんだと思います。優越つけがたい最終選考になった時、どちらとだったら仕事がしやすそうか、本音を伝えられそうか、ヤル気がありそうか、など営業担当さんの人間的な部分が大きく明暗を分かつ場合があります。
どんな業界でもクライアントの心理はそんなに大きくブレることはないと思いますので、私の体験を参考に、逆手にとってアプローチされたら営業効率が上がるかもしれませんよ。頑張ってください。
ご健闘をお祈りいたします。